前略 姉上さま。
私、人生で最初で最後(となるかもしれない)寝台列車の旅をしましたよ。
ツアー4日目、小樽で昼食のお寿司を食べ終えた私たちは、札幌駅へと向かいました。大阪へ向かう電車へ乗るためです。電車と言っても姉さん、フツーの電車じゃないんだよ。トワイライトエクスプレスという、なんだかとってもゴージャスで夢と希望があふれている(ような気がする)電車なんだよ。
札幌駅に入線するトワイライトエクスプレス。牽引する専用機関車はブルー。なんかゴツイ。
札幌から大阪まで、日本最長走行距離の1500km、約21時間の旅です。
初めての寝台特急は、「へぇー!」とプチカルチャーショックなことがいろいろありました。
まずは、私たちが止まったBコンパートについて紹介するよ。
Bコンパートというのは、トワイライトエクスプレスの中で一番リーズナブルな寝台です。いつもそこそこハイグレードな旅をする母さんだから、てっきりゴージャスな個室にでも泊まるのかと思って浮かれていた自分が悲しい。気分はオリエンタルエクスプレスで優雅に旅するセレブから、バックパッカーへ……。
でもゴージャス個室は絶対数が少ないので、そう簡単に予約をとれるものではないらしい。来年の春には運行終了が決まっているため、、Bコンパートですら個人での予約はかなり厳しい状況だとか。
さて、そのBコンパートは、1つの部屋に二段ベッドが2つあります。
寝台の下の段はシートが向かい合わせになってます。電車のボックス席が長くなったような感じです。薄い掛け布団と枕、シーツ、寝間着が用意されているので、寝る時は自分でセッティングしておやすみなさい。周りはカーテンで囲めるようになっているので、ちょっとした自分空間の出来上がり。
2段ベッド2つ、計4人泊まれるコンパートメントですが、なんとここ、男女の別なく見知らぬ他人が一緒になったりするんです。ヘンな人と一緒になったらかなりツラい旅になりますね。
ちなみに私たちは、下の段に母と私、上の段にはここで初めて会ったアメリカ人女性(以後、スージーと呼ぶ)と、電車にすっごく詳しい男性(以後、鉄ちゃんと呼ぶ)でした。ツアーで行ったので、同じツアーの人たちと同室になるのかと思いきや、まさかのハジメマシテ。旅は道連れ世は情け。良い出会いがあるといいよね。
ちなみに、寝台は下の段が断然おすすめです。添乗員さんが何度もそう言ってましたけど、その意味が乗ってみて分かりました。上の段はね、細っこいハシゴを上らなきゃいけないし、なんだかイチイチ面倒そうだ。上にあがってしまうと、窓からの景色もほとんど見えないし。
そして私が乗った9号車は、喫煙車両でした。いまどき、喫煙車両なんてあるんだ!と軽く衝撃。
同室の鉄ちゃんはヘビースモーカーのようで、結構な頻度で吸っていたけれど、部屋の扉を閉めて通路で吸ってくれました。扉はガラスの引き戸なので閉めても閉塞感はありません。通路に一歩出ると、ちょっとタバコ臭かったけどね。
そんなタバコ臭い通路は、9号車の乗客の集いの場になっていました。カメラをセットしてずっと景色を撮っていたり、情報を交換しあっていたり、電車大好き!な人が集まっていたようで、なかなかおもしろかったです。
一番安い部屋か……と最初はガッカリしたけれど、結果的にはオープンなBコンパートでかなり楽しめました。これも、いい人たちに恵まれたからでしょう。
それでは姉さん、今回はこの辺で。草々。
次回もトワイライトエクスプレス編、続きます。
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